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2020 年度 実施状況報告書

氷惑星の衛星系形成過程の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19K14787
研究機関大島商船高等専門学校

研究代表者

末次 竜  大島商船高等専門学校, 一般科目, 講師 (40737334)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード微惑星 / 衛星
研究実績の概要

衛星ガニメデの表面には Furrow と呼ばれる特徴的な地形がある。このFurrow は、惑星探査機ボイジャーと木星探査機ガリレオによる観測から、ガニメデ表面に局所的に存在し、形成された年代は非常に古いと推定されている。Furrow構造の成因は未だ明確ではないため、私達は探査機が撮った画像の再解析を行い、Furrowの分布を調べた。その結果、Furrowは従来考えられてきた局所的な構造ではなく、マリウス領域を中心とした同心円状に分布する全球的な構造であることがわかった。これは過去には全球的な多重リング構造であったことを示唆している。こうした多重リング構造は、同じガリレオ衛星カリストのヴァルハラ盆地にも見られ、その構造はよく似ている。本研究によるガニメデの多重リング構造は、カリストのものより巨大であるため、この構造も天体衝突を起源とするものであれば、それは太陽系最大の衝突構造と言える。今回、ガニメデサイズの氷衛星表層に全球的な影響を及ぼすようなインパクターのサイズを見積もるために、弾性・塑性モデル,破壊モデルなどが実装されているiSALEで衝突シミュレーションを行った。標的である氷衛星の半径は2600kmで、内部には半径900kmの岩石コアがあると仮定した。一方、インパクターは氷のみで構成されており、その衝突速度は20km/sとした。計算の結果、インパクターの半径が50kmの場合、衝突の影響は衝突点近傍のみに限定されるが、半径が150kmの場合は、少なくとも衝突点を中心とした半球の全域には確実に影響を与えることが明らかとなった。これはリソスフェアのモデルから得られるインパクターサイズの見積もりとも一致している。そのためガニメデ表層に多重リング構造を形成した衝突天体の半径は150km程度の可能性が高いと言える。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

所属先の異動により、予定していた研究の時間がとれなかった。また研究にむけたコンピュータの準備・設置といった研究室の準備に非常に時間がかかってしまったため。

今後の研究の推進方策

研究室の準備はおおむね完了したので、今年度は昨年度遅れた研究を含め研究を推進する。

次年度使用額が生じた理由

コロナにより予定していた学会等へ参加できなかったため

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] Delivery of Pebbles from the Protoplanetary Disk into Circumplanetary Disks2020

    • 著者名/発表者名
      Homma Toru、Ohtsuki Keiji、Maeda Natsuho、Suetsugu Ryo、Machida Masahiro N.、Tanigawa Takayuki
    • 雑誌名

      The Astrophysical Journal

      巻: 903 ページ: 98~98

    • DOI

      10.3847/1538-4357/abbc08

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A global system of furrows on Ganymede indicative of their creation in a single impact event2020

    • 著者名/発表者名
      Hirata Naoyuki、Suetsugu Ryo、Ohtsuki Keiji
    • 雑誌名

      Icarus

      巻: 352 ページ: 113941~113941

    • DOI

      10.1016/j.icarus.2020.113941

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2021-12-27  

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