地震の震源特性を表す震源パラメタは,地震波形のスペクトル比と理論スペクトル比の比較を通して推定される.本研究では,従来使われてきたグリッドサーチ法とは異なるマルコフ連鎖モンテカルロ法を用いた手法を導入した.推定時に用いる確率密度関数について検討をおこない,一般的に用いられる正規分布ではなく比の形を持つデータに適したF分布を採用した.シミュレーションスペクトルと,米国オクラホマ州で発生した誘発地震に対して本手法を適用したところ,推定は良好に行われた.さらにサンプリング密度から尤度を計算することにより,確率分布を視覚化した.
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