火山噴火ダイナミクスを発生させる火道上昇~地表付近のマグマの物理化学変化を噴出物の岩石組織から推定するため,本研究では,天然噴出物と実験産物の比較により,地表すなわち低圧・高酸化条件での岩石組織形成プロセスを推定し,地表付近でのマグマ-大気相互作用プロセスを解明する. 昨年度までの成果で,新燃岳の赤色火山灰脈を持つ2018年噴火噴出物を採取し,顕微鏡観察から苦鉄質鉱物表面に微小な不透明鉱物が生成していることを確認,これが溶岩噴出後の大気での酸化により形成したことを明らかにした.2022年度は,この赤色火山灰脈をもつ噴出物を生成する爆発的噴火メカニズムのモデルを検討した.その成果を,開催が延期されていた国際学会(IAVCEI 2023)において発表した.
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