天然の火山噴出物と実験産物の多様な酸化組織を分類・整理し,噴火プロセスとの紐づけを試みた.桜島・浅間火山の異なる爆発的噴火タイプの噴出物の観察から,硫化鉱物に伴う酸化組織が噴煙内部の大気混合過程を反映することを明らかにした.新燃岳2018年噴火の赤色噴出物の観察では,苦鉄質鉱物表面の赤色微粒子が赤色の要因と特定し,実際の噴火プロセスとの比較から,溶岩噴出から2週間程度の形成時間と見積もった.加熱・冷却実験では,酸素雰囲気によらず出発物質により石基鉱物組織や色調の変化に相違が見られた.輝石のその場加熱酸化実験では,少なくとも2種類の鉱物が数十分で成長することを確認した.
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