本研究は棚倉堆積盆における日本海拡大期の回転運動と火山活動,沈降運動,横ずれ断層運動の関係解明を目的とし,野外地質調査と古地磁気分析,U-Pb年代測定を実施した.本研究によって,棚倉堆積盆において約30°の反時計回りを発見するとともに,棚倉堆積盆を埋積する新第三系の高時間解像度の年代層序を構築することができた.この年代層序に基づき,堆積速度や沈降運動,回転運動の時期等を考慮すると,約1720万年前~1660万年前に,棚倉断層帯の運動によって棚倉堆積盆は急速に沈降すると同時に,ブロック回転運動も生じたことは判明した.
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