巨大衝突とは、地球の月の起源になったとされている現象であり、これまでに幾つかの数値計算によりその妥当性が検証されてきた。これによるり、月は衝突してきた側の天体から形成された事が示唆された。一方で、高精度同位体比計測を地球及び月の石に行うと、月は原始地球の側から形成される事がわかり、数値計算結果と矛盾した。 本研究では、この巨大衝突時に、原始地球の上にマグマオーシャンと呼ばれる液体岩石の層が存在する場合を考えた。液体岩石の状態方程式として、我々が開発したものを含め幾つか提案されているものを用いて計算した。その結果、我々の状態方程式を用いた場合、原始地球から多くの物質が円盤に行く事がわかった。
|