地球内部における岩石の化学的変化をよりよく理解するためには、鉱物の変質反応速度を精緻に理解することが重要である。本研究では、かんらん石の変質反応(蛇紋岩化)反応について、変質反応速度を明らかにするための実験を行った。実験では、260-300度の熱水をかんらん石の粉末にかけ流し(流通式水熱反応実験)、変質反応の時間変化を観察した。反応後、走査型電子顕微鏡を用いてかんらん石の粉末の表面を観察したところ、蛇紋石が析出していた。実験結果と変質反応の理論モデルを比較した結果、かんらん石の溶解速度と蛇紋石の析出反応速度の比が温度・時間によって変化することがわかった。
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