本研究では、化石動物での性差判別方法を検討するため、標本数が多く、非常に視覚的に目立った装飾構造を持つケラトプス類の恐竜を用いて、骨組織学的手法に基づいた検討を行った。その結果、セントロサウルスとプロトケラトプスにおいて、体サイズのバリエーションを伴って装飾構造に性差が見られる可能性が示唆された。また、この検討を通して、ケラトプス類の分類において重要な特徴が複数見出された。恐竜類には装飾構造で特徴づけられる分類群が数多く存在するが、性差が見られるかどうかについては議論が分かれていた。今後骨組織学的検討に基づくことで、恐竜類における性差の存在を明らかにできる可能性がある。
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