本研究は、新たに開発した4次元ピンポイント渦電流法を用いて熱可塑性炭素繊維強化プラスチック(以下、CFRTP)の欠陥を修復し、実用面で十分な強度を得ることができることを定量的に示すことを目的とした。はじめに、本渦電流法を用いて立体形状のCFRTPに対して、狙いを定めた箇所の溶融を確認した。次に、落球衝撃試験によって発生させた層間剥離を加熱加圧融着し、融着により引張り強さが回復することを示した。CFRTPの繊維破断やペレット部のクラックなどや離部分以外を溶融しすぎると逆に強度低下を招くことがわかった。加えて、CFRTPの内部状態をX線CTで調査し、加熱時間の影響による空隙の分布を明らかにした。
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