現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
溶解鋳造条件とその後の冷却条件を調整することで、種々の粒径をもつCu-xAl(x=0, 2, 4, 6 wt.%)合金を鋳造した。得られたインゴットを引張試験片形状に加工後、EBSD測定により結晶方位分布を得た。その後、試験片にランダムパターンを塗布し、表面をCCDカメラで観察しながら引張試験を行った。得られた動画からVIC-2DおよびVIC-3Dを用いたDIC解析によって、ひずみ分布を測定した。結晶方位分布とひずみ分布の測定結果から、ひずみの局所的な集中と結晶方位の関係を調べた。その結果、研究実績に記載した通り、おおよそ目標としていた成果が得られた。実験についてはおおよそ計画通り進捗していると自己評価する。 有限要素多結晶モデルを用いた解析については、まずは単純なn乗硬化則かつ等方弾性体を仮定した解析を行い、変形のごく初期のひずみ分布と応力ひずみ関係を再現することに成功した。しかしながら、この単純なモデルでは巨視的なひずみ量で約5%程度の範囲までしか再現することができていない。このことから、当初の目標であった結晶の回転や粒ごとの不均一変形挙動の計算と実験の比較による詳細な検討まで至っていない。これは、当初導入を予定していた三次元DIC解析システムの解像度が十分ではないことが判明し、その代替手段の確保に時間とリソースを取られた為である。 以上のことから、当初の予定よりやや遅れていると自己評価する。
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