近年の電子機器の小型化により、配線などに用いられる銅線、端子などは部品中に含まれる結晶粒の数が少なくなってきている。そこで、そのような試料の変形予測モデル検討の為、少結晶試験片を用いた引張試験中ひずみ分布の観察と有限要素多結晶モデルによる計算を行い、実験結果と計算結果を比較した。実験結果からは理論から予想される変形挙動と一致した傾向が得られた。計算結果と実験結果を比較したところ、結晶粒の数が少ない場合にはひずみ分布が一致する傾向が得られたが、多い場合は一致しなかった。今回用いた理論や硬化則の限界を示すとともに、今後の少結晶試料の変形予測モデル改善の方向性について知見が得られた。
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