研究課題
若手研究
表面微細構造を形成した金属と射出成形樹脂を,樹脂成形と同時に型内で直接接合させる技術において,接合特性に対して金型の状態制御と射出成形条件の相互作用がどのように生じるかを調査した.金型温度分布を動的に制御できる金型を開発し,それを用いて実験を進めた.温度の動的制御によって,最高強度の更新やプロセスの高効率化を実現できた.また,分布制御を用いることで,プロセスを高効率化できることを示すとともに,接合発現に重要なのは金属/樹脂の界面の局所的な温度であることを示唆することができた.
異材接合
本研究で取り扱った直接接合技術は,比較的新しい技術であり,厳密な接合メカニズムは未解明という問題はあるが,生産性の高さや自由度の高さから産業応用および将来の基盤技術となることが非常に期待されている.本研究で得られた成果は,接合特性の向上や生産プロセスの高効率化の指針となり,本接合技術の社会実装を進める上で必要不可欠なものになると考えられる.また,接合を発現する上で重要な要素を示唆できたことから,本研究で開発した技術は接合現象の解明を進める上で必要なツールになると考えられる.