本研究は,面状軌跡の振動を用いた超音波接合法の実用化を目的とし,面状軌跡を発生させる振動源の開発,及び接合機構を解明するためのAl板とCu板の接合特性の検討を行った。まず,接合過程の観察を容易とするための面状軌跡を発生させる振動源の開発は,中空部を併用したステップホーンを用い,片側支持とする構造にすることで達成できた。次に,面状軌跡による接合特性は,引張せん断試験及び十字引張試験の方法にて評価を行った。それより,面状軌跡による接合強度は,いずれの試験方法においても線状軌跡を上回ることがわかった。また,面状軌跡による接合強度は,表面粗さによらず高い強度を得られることがわかった。
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