研究課題
本研究では、半導体デバイス製造における計測標準に資する半導体ナノ構造の超精密形状計測技術の開発を行っている。ナノ形状計測では様々な顕微鏡技術が用いられるが、一般的な顕微鏡技術はその技術だけでは絶対寸法計測ができないものが多く、それらの計測精度の保証には絶対精度の計測値が値付けされた標準試料が必要となる。本研究では、半導体デバイス開発におけるデバイス性能評価やリソグラフィ加工性能評価、生産歩留まり管理などに欠かせない、「ラインエッジラフネス(LER)」と呼ばれるナノスケール半導体ラインパターンの側壁粗さ情報を示す形状パラメータの計測に着目し、計測技術の高度化と、高精度に形状が特徴づけられたLER標準試料の開発を行う。2022年度は、昨年度までに作製したLER標準試料(粗さ情報が制御されたラインエッジプロファイル(側壁形状)を有するラインパターン)のLER評価結果の解析を引き続き行った。そして、それらの知見を基にLER標準試料を作製するための方法として、粗さプロファイルの設計、標準的な試料作製方法、試料のLER評価方法の一連のプロセスを体系化した。また、LER計測評価技術の高度化として、従来から課題点が多いことが知られているレジストパターンのLER計測に、長さ標準にトレーサブルな形状計測が可能な測長型原子間力顕微鏡を用いて取り組み、レジスト側壁面粗さを非破壊で高精度に計測する技術を確立した。その応用として、レジストパターンが電子線照射によって収縮変形したときの側壁粗さの変化を定量的に評価することができた。
すべて 2023 2022
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件)
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