研究課題/領域番号 |
19K14871
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
遊佐 泰紀 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 助教 (70756395)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 溶接力学 / 非線形有限要素法 / 熱弾塑性解析 / 並列計算 / 領域分割法 |
研究実績の概要 |
平成 31 年度は基盤となる解析手法の開発や性能評価、MPI 並列化が主な実施内容であり、おおむね順調に進展している。基盤となる解析手法として領域分割法や準 Newton 法に基づく非線形有限要素法のプログラムを開発し、溶接力学問題を含むいくつかの問題で性能評価を実施してきた。また、いずれのプログラムもすでに MPI 並列化を完了しており、PC クラスタ上で動作している。 領域分割法に基づく非線形有限要素法では、Newton-Raphson 法による連立非線形方程式求解アルゴリズムの内部で領域分割法による連立一次方程式求解を行っている。このとき、二重ループのアルゴリズム構造になっている各反復解法のトレランス制御を工夫することで全体の反復回数を最適化した。また、マルチパス溶接やアディティブマニュファクチャリングで重要となる溶融前の部位を剛性ゼロの要素でモデル化し、剛性ゼロの要素に伴う拘束されていない自由度を領域分割法に基づく非線形有限要素法で取り扱う方法を提案した。以上の解析機能の検討は、溶接解析だけでなくアディティブマニュファクチャリング解析を通じて行い、性能評価を行った。以上を国内会議および国際会議で発表した。国際会議での発表一件は査読付きプロシーディングを伴うものである。 準 Newton 法に基づく非線形有限要素法では、連立一次方程式ソルバーとしてスパースダイレクトソルバーを用いることで、百万自由度規模程度までの非線形力学問題を極めて高速に解析できることがわかってきた。こちらは大変形弾塑性問題にて性能評価を行った。以上を国内会議で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成 31 年度は基盤となる解析手法の開発や性能評価、MPI 並列化が主な実施内容である。領域分割法や準 Newton 法に基づく非線形有限要素法の基盤プログラムをすでに開発しており、いずれも MPI 並列化が完了している。また、いずれについても溶接力学問題を含むいくつかの問題で十分な性能評価を行っている。具体的には、領域分割法についてはマルチパス溶接とアディティブマニュファクチャリングの解析、準 Newton 法については大変形弾塑性解析を実施している。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は並列溶接力学解析に必要な手法やアルゴリズムを提案していく予定である。研究成果は積極的に学会発表と論文投稿につなげていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度 10 月に所属機関を異動したため、執行が遅れている。次年度からは計画的に執行していく予定である。
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