研究課題/領域番号 |
19K14883
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
佐々木 英一 秋田大学, 理工学研究科, 助教 (60710811)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 乱流 / 秩序渦 / モデル |
研究実績の概要 |
発達した乱流状態には秩序渦が存在することが知られている.本研究の目的は乱流に内在する秩序構造の検出方法を定式化し,少ない観測から渦構造を見つけて制御することである. 低Reynolds数Couette乱流について主成分分析によって乱流場の特徴づけを行った. 第1モードのみで全エネルギーの90%程度をもつ.流れのプロファイルは流れ方向のストリークと流れ方向渦からなる流れ方向に一様な構造を持つ.一方で,第2,3モードには流れ方向に交互に配置した正負の流れ方向渦をもつ.これらの渦構造は低Reynolds壁乱流に典型的に観測されることが数値的に求めた定常解・周期解によって明らかにされている.乱流の時系列データをこれらのモードに射影した.モードの時系列データに対し,L1ノルムを正則化項に持つ最小二乗問題を解くことで,低次元力学系モデルの構成を試みたが,適当なモデルを構成することはできなかった.これは主成分分析したモードは流れ場のスナップショットを射影するがその時間変化を記述しないためと考えられる. 回転球殻Couette流れについてパラメータを変えて数値計算を行い,基本流が不安定化する臨界曲線を調べた.さらに,異なる大規模構造が発現するパラメータを同定した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
主成分モードによって流れ場の特徴的な渦構造をとらえることができるが,その時間変化をとらえるモデルを構成することは困難であることが分かった.モデルの構成方法の再検討が必要である. 風洞実験について資材調達に手間取ってしまい進捗していない.
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今後の研究の推進方策 |
時間変化をとらえるために前処理として,Gaussianフィルターを時間方向に行い,主成分分析をかけることで,流れ場の特徴量を抽出する.Kernel法などほかの特徴量抽出,さらに離散力学系モデルの構成を検討する. 回転球殻Couette流れについて,大規模構造を特徴づける数値解をもとめ,大規模構造が遷移するメカニズムを明らかにする. 風洞実験について高い精度で測定可能な実験環境を再構成する.
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次年度使用額が生じた理由 |
風洞性能を徹底的に調べたところ,精度のよい一様流を作ることができていないことが分かった.整流金網のリプレースを行い実験環境を再構成する.
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