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2021 年度 実績報告書

マルチスケール格子乱流中のスカラー輸送のメカニズム解明と革新的混合促進の実現

研究課題

研究課題/領域番号 19K14891
研究機関長崎大学

研究代表者

北村 拓也  長崎大学, 工学研究科, 助教 (30794648)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード乱流 / スカラー輸送 / 多目的最適化 / 大規模直接数値計算 / エネルギー散逸率
研究実績の概要

本研究の目的は,マルチスケール格子乱流におけるスカラー輸送の物質拡散または混合促進を目的とした多目的最適化手法,データマイニング手法や深層学習などの情報技術および理論解析を通して,混合促進のメカニズム解明を行うことである.
令和3年度は,令和2年度に実施した61の格子形状に対する直接数値計算(DNS)の結果に対して,様々なデータマイニングを実施した.その結果,混合促進と圧力損失はトレードオフ関係にあり,混合促進を推進するためには乱流レイノルズ数を増加させる格子配置が重要であり,圧力損失を低減させるためには格子の遮蔽率を低減させればよいことが明らかになった.しかしながら,これらの結果は一様等方性乱流中の平均スカラー勾配が存在するスカラー場の性質から定性的に説明することができ,研究開始当初に想定していた非平衡な乱流場の性質がスカラー場に反映されるという予想とは異なるものであった.このことから,大域的最適化を行ったところで,新しい知見を得ることが難しいことが予想されたため,大域的最適化を通してデータマイニングから有用な情報を確実に得ることを目的として,研究実施計画に予定していなかったコンピュータグラフィックスを利用した情報縮約技術の開発に時間を費やした.大域的最適化は次年度以降の課題である.
さらに並行して,マルチスケール格子乱流におけるスカラー輸送やエネルギーカスケードのメカニズム解明を深く理解するために,一様等方性乱流の平均スカラー勾配が存在するスカラー場のクロージャー理論および散逸異常の理論的解析を実施した.前者に関してはQ1論文であるJournal of Fluid Mechanicsに掲載された.また,後者に関しては現在論文投稿中である.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Spectral theory of passive scalar with mean scalar gradient2021

    • 著者名/発表者名
      Takuya Kitamura
    • 雑誌名

      Journal of Fluid Mechanics

      巻: 923 ページ: A28 (45pages)

    • DOI

      10.1017/jfm.2021.559

    • 査読あり
  • [学会発表] 一様等方性乱流のよどみ点の検出2022

    • 著者名/発表者名
      鳥飼 凌太郎,北村 拓也
    • 学会等名
      九州学生会第53回学生員卒業研究発表講演会
  • [学会発表] 低圧力旋回渦による流れの可視化2022

    • 著者名/発表者名
      野上 久哉,北村 拓也
    • 学会等名
      九州学生会第53回学生員卒業研究発表講演会
  • [学会発表] 高混合性能を実現するための乱流格子作成の試み2021

    • 著者名/発表者名
      北村 拓也,下山 幸治
    • 学会等名
      日本機械学会年次2021

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公開日: 2022-12-28  

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