研究課題
昨年度と同様に、遠心圧縮機の幾何形状および流入条件がもたらす非軸対称性により発生する旋回失速の発生機構を解明し、失速の初生構造を数値解析と実験を用いて検証することを目的とし、以下の2点について研究を実施した。1:本圧縮機では、流量低下時に羽根車失速形成時はディフューザ失速セルの個数が1つから2つへとセル数が変化するという知見を得られた。出口流量を過渡的に減少させていった場合の失速セルの初生構造を明らかにする。2.更なる研究の推進のために旋回する翼内部の流れ場の可視化を非接触の可視化手法であるPIV手法の検討を行う。本年度は、失速セルが成長する過程の特徴を捉えるために、出口流量を過渡的に減少させていった場合の失速セルの構造を調査した。数値解析より得られた結果より、羽根車部の短翼前縁部で旋回していた低速域が、流量低下とともに長翼前縁へと成長し、長翼前縁部で渦がスピレージすることで旋回失速へと成長することが分かった。また、非軸対称な幾何形状による失速初生現象を調査するために、羽根付ディフューザ設置時の試験と解析も新たに実施した。さらに、回転翼内部の圧力測定のためにPIV計測機器の導入を検討し、軸流圧縮機を対象に低回転数時にて動翼内部の圧力分布を可視化できる結果を得た。今後は遠心機への応用検討を引き続き進めていく。また,研究最終年度であるために研究報告をまとめ論文による発表を実施した。本課題により得られた結果をまとめた論文にて、日本機械学会の論文賞を受賞した。
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ターボ機械
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https://www.jsme-fed.org/papertech/2022_8/001.html