社会全般で広く実用化されている遠心圧縮機を対象として、その羽根なしディフューザ部分に発生する旋回失速の初生・旋回機構を初めて解明した。従来、各種圧縮機では失速余裕と呼ばれる安全運転範囲を設定して非定常現象の発生を抑制しているが、これらの運転余裕を設ける必要性から本来要求される高い圧力比や広範な運転流量範囲を犠牲にしている。この基礎研究によって、非定常現象の発生機構が解明され、失速回避策が提案されることでより高い圧力比条件下での運転が可能となり、圧縮機性能を飛躍的に向上させると共に、将来的には温室効果ガスなどの発生を抑制する産業機械の設計手法が提案されることが期待される。
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