本研究では二酸化バナジウム(VO2)を用いたパッシブ熱マネジメントに着目した.パッシブ熱マネジメントは相転移材料の大きな潜熱により電子機器の発熱を吸収することで,最大温度と温度変動を軽減可能である.VO2は約68℃で可逆相転移をする固―固相転移材料であり,シリコーンなどの樹脂中に分散させることで,蓄熱シートを作製可能である.本研究では潜熱蓄熱を考慮した伝熱解析,VO2を接合した発熱体の温度測定,蓄熱シートの試作,蓄熱シートを接合した発熱体の温度測定を行い,VO2を熱マネジメント素子として用いた際の温度平準化性能および放熱性能を明らかにした.
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