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2020 年度 実績報告書

酸化ハフニウム(HfO2)基強誘電体の圧電定数の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19K14921
研究機関東京工業大学

研究代表者

志村 礼司郎  東京工業大学, 物質理工学院, 研究員 (70826586)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2021-03-31
キーワード酸化ハフニウム基強誘電体 / 圧電性 / 圧電測定
研究実績の概要

酸化ハフニウムは2011年に強誘電性が発見され、Siプロセスとの整合性が高い新規強誘電体材料の有力な候補として注目されている。一方で、当時圧電応用に不可欠な厚膜化が難しいとされていたため、圧電材料としての利用はほぼ検討されていなかった。研究代表らは従来報告されている膜厚より1桁厚い1 μm程度まで酸化ハフニウム基強誘電体膜の厚膜化に成功しており、圧電MEMSなど圧電応用に必要な足掛かりをつかんでいる。
以上の背景を踏まえ、本研究の目的は酸化ハフニウム基強誘電体の圧電材料への応用を見据え、圧電デバイス設計に必要不可欠な圧電定数の真値を明らかにすることである。
本年度は下記の成果を得た。
(1) 室温でYSZ基板およびSi基板上に1μm程度の厚膜の作製に成功した。室温成膜はそれまでの熱処理と比較して絶縁性が向上しており、かつ、同等の電気特性を示した。これまでの厚膜作製プロセスでは800℃以上の熱処理が必要であったため、例えばフォトレジストなど耐熱性の低い素材を利用する場合、微細加工プロセスの工夫が必要であったが、本成果により基板等の微細加工が容易となった。
(2) 本研究はこれまでイットリウム(Y)を7%ドープした組成を用いて評価を行ったが、他の組成ではまだ評価していなかった。そこで、Yおよびジルコニウムの添加量を変化させ、室温で厚膜を製膜できるか調査した。その結果、Y7%の組成以外にも厚膜が作製でき、かつ圧電性が同等の組成があると判明した。この成果は現状の組成よりもより良い圧電性を示す組成が存在する可能性を示唆している。もしさらに大きい圧電性を示す組成が見つかれば、圧電測定の精度が向上するものと思われる。本成果はそのような圧電性向上のための組成探索の足掛かりになるため、非常に重要である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Preparation of 1 μm thick Y-doped HfO2 ferroelectric films on (111)Pt/TiOx/SiO2/(001)Si substrates by a sputtering method and their ferroelectric and piezoelectric properties2021

    • 著者名/発表者名
      Shimura Reijiro、Mimura Takanori、Tateyama Akinori、Shimizu Takao、Yamada Tomoaki、Tanaka Yoshitomo、Inoue Yukari、Funakubo Hiroshi
    • 雑誌名

      Japanese Journal of Applied Physics

      巻: 60 ページ: 031009~031009

    • DOI

      10.35848/1347-4065/abe72e

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Preparation of near-1-μm-thick {100}-oriented epitaxial Y-doped HfO2 ferroelectric films on (100)Si substrates by a radio-frequency magnetron sputtering method2020

    • 著者名/発表者名
      SHIMURA Reijiro、MIMURA Takanori、SHIMIZU Takao、TANAKA Yoshitomo、INOUE Yukari、FUNAKUBO Hiroshi
    • 雑誌名

      Journal of the Ceramic Society of Japan

      巻: 128 ページ: 539~543

    • DOI

      10.2109/jcersj2.20019

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] スパッタリング法によるY-HZO強誘電体厚膜の室温製膜とその電気特性および圧電特性評価2021

    • 著者名/発表者名
      志村 礼司郎, 三村 和仙, 舘山 明紀, 清水 荘雄, 白石 貴久, 舟窪 浩
    • 学会等名
      第68回 応用物理学会春季学術講演会
  • [学会発表] スパッタリング法によるHfO2基強誘電体厚膜のシリコン基板上への室温成膜とその電気特性および圧電特性評価2020

    • 著者名/発表者名
      志村 礼司郎, 三村 和仙, 舘山 明紀, 清水 荘雄, 舟窪 浩
    • 学会等名
      第81回 応用物理学会秋季学術講演会

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公開日: 2022-12-28  

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