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2020 年度 実施状況報告書

マルチスケール・マルチフィジックス個別要素法による粉体解析手法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19K14922
研究機関福井大学

研究代表者

吉田 達哉  福井大学, 学術研究院工学系部門, 准教授 (20734544)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード粒状体 / 個別要素法 / 粉体工学 / 連成解析 / ボールミル
研究実績の概要

大量の粒子要素を必要とする個別要素法解析において計算コストを削減する手法として,複数の細かな粒子要素をまとめてひとつの大きな粒子要素として扱う粗視化と呼ばれる手法を用いられる.本研究課題においては昨年度までは従来提案されていた手法の問題点を改善するための粗視化モデルの構築を行い,本年度はそのモデルの検証および改善を行った.本研究課題で提案する粗視化手法では粗視化の過程によって無視されてしまう細かな粒子要素同士の衝突によって生じるエネルギー散逸を考慮することで,粗視化後の粒子要素の挙動の再現性を向上させる.本研究課題においては解析対象をボールミルとしており,その内部の粒子の挙動を粗視化前の解析結果と粗視化後の解析結果と比較することで,粗視化モデルの有効性を検証した.当初,粗視化粒子に粒子の運動速度に比例した人工減衰を与えるモデルを検証したが,粗視化する倍率が変化すると粒子の挙動を再現するための適切な減衰係数も変化してしまうことがわかった.続いて粗視化する前の元の粒子要素同士の衝突による散逸エネルギーを推定し,それをもとに人工減衰を与えるモデルの有効性を検証した.このモデルの減衰係数には粗視化の倍率や粒子径などの粗視化に関するパラメータが含まれている.このモデルにより粗視化の倍率を変更しても,それに依存するパラメータを再度同定する必要なく解析することができる.
また,本研究課題において提案する粗視化粒子間の熱伝達を表現するモデルを構築するための基礎的な検討を行った.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

昨年度に提案したモデルのシミュレーションプログラムへのコード化と改良に時間を要した.モデルの改良により粒子挙動の再現性が向上できたが、より大きな粗視化倍率においても再現性が向上させる必要があり、さらなる改善の余地があるため,引き続き粗視化モデルの改良が必要となる.

今後の研究の推進方策

本年度に引き続き,粗視化前の粒子同士の衝突による散逸エネルギーを推定方法を継続的に見直し,粗視化後の粒子要素の挙動の再現性を向上させる.粒子群の速度分布や運動エネルギーなどを評価指標に用いることで有効性を検証する.
また,粗視化粒子間の熱伝達を表現するモデルの構築においては,本研究課題で提案する粗視化手法においては質量保存を前提としていないため,この点を考慮に入れて熱伝達モデルを構築する.さらに,構築したモデルの検証をシミュレーションおよび実験にて行う.

次年度使用額が生じた理由

熱伝達モデルの検証のための計測実験において使用する計測機器を購入する予定であったが,研究計画の遅れに加えて,計画当初に計上していた旅費を使用しなかったためより高性能な機器の購入を検討したことで次年度使用額が生じた.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 粉砕物の混合粒径がボールミル壁面の振動・放射音に及ぼす影響2020

    • 著者名/発表者名
      森下 優大, 吉田 達哉, 鞍谷 文保
    • 学会等名
      Dynamics & Design Conference 2020

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公開日: 2021-12-27  

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