研究課題/領域番号 |
19K14926
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研究機関 | 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 |
研究代表者 |
前田 孝雄 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 宇宙航空プロジェクト研究員 (00761149)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | Robotics / Terramechanics / Hopping Rover |
研究実績の概要 |
土質推定を実施するためのプラットフォームである実験のための小型跳躍ロボットを製造し,軟弱土壌を模擬するため砂を敷き詰めた実験設備での跳躍実験を実施した.いくつかの珪砂の種類での実験を実施して,跳躍時の応答を取得した.応答の取得は外部観測型の位置センサ(Optitrack)及び高速度カメラを用いて実施した.また,前年度は実施していなかった,ロボットの斜め跳び移動なども実施して,跳躍時のロボットの応答や砂の流動具合を観測した.一方で,個別要素法DEMを用いた解析も実施して,跳躍パッドと土壌を模したパーティクルとの接触時の状況を計算し,土壌内部での応力伝達状況に関する可視化も実施した.これまで用いていたResisitve Force Theoryモデルでは表現が困難であり,実験と乖離した結果を示していた凹型の接触面を持つ跳躍パッドを使用した際の応力状態が可視化された.これにより,凹形状跳躍パッドを使用する際のResisitve Force Theoryモデルの修正に関する知見が見いだされた.さらに,跳躍ロボットの跳躍ばね力の伝達方法をリンクを介して実施する方法についても検討した.これは,跳躍ばね力が急激に土壌に印可されないように工夫されたものであり,砂の飛散を抑制できるメリットが確認できた.非常に軟弱な土壌(斜面の珪砂や,月面のレゴリスなど)において,土壌を破壊しすぎることなく実験が可能であると期待できる結果が得られた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ロボット製造,動作試験に関しては順調に完了したが,実験フィールドを使用した実験とフィールドでのデータ取得に関して,施設の利用制限により,当初予定したデータの量を取得するに達していない.そのため,統計的な処理及び跳躍結果からの土壌状態逆推定モデルの生成で一部遅延が生じている.
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今後の研究の推進方策 |
ロボット,計測系に関しては製造完了しているため,土質推定のため,当初予定していた種々の模擬土壌を用いて跳躍試験データセット製作を完了させ,土質推定モデルの精度を向上させる.また,2020年度は実施できなかった自然地形や屋外の実フィールドにおける試験も実施して,実用性に関する検討を完了させる.
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次年度使用額が生じた理由 |
実験設備の利用制限と,フィールド試験が実施できなかったことにより,必要とする量のデータを実験で取得することができなかった.砂など粒状体ダイナミクスの検討においては,実験結果が粒状体の初期状態に依存してばらつくため,精度向上のために多くのデータを要する.十分なデータ量取得のため,繰り返し実験に関する費用と,実験実施時の消耗品費に関する費用として,次年度使用とした.
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