研究課題
本研究課題では,不確実環境下での運転知能の高度化を目的とし,走行環境の文脈とドライバ行動の状態に基づく潜在危険度の推定を内蔵した予見的運転支援技術の基盤研究を実施した.実施事項を以下に記載する.(推奨速度モデルの構築)本研究では,人間ドライバにとって事故回避が困難である場面でのニアミス事象をDBから抽出し,そのニアミス事象での安全マージンの指標を定量化することによって,(i) 受け入れ可能な結果と (ii) そうでない結果にデータを分類することに成功し,受け入れ可能な結果のみを学習することで,推奨速度を算出できるモデルを構築した.この成果は,Accident Analysis and Prevention (IF = 4.99) に掲載された.推奨速度モデルの適用シーン拡張を図り,駐車車両/停止車両の追い抜きシーンの全データをDBから抽出し,膨大なデータからその状況を特徴づける情報の抽出法と学習のためのデータ選別法を発見した.(不確実環境で人の認知過程の把握)VR環境に,DBに記録された走行環境を緻密に再現することに成功し,(i) 状況認識の評価手法の一つであるSAGATを用いたハザード予測能力を測るテスト,また (ii) 主観的安全マージンを測るテストを新規に開発した.本研究では,経験の浅いドライバと経験豊富なドライバを対象とした比較実験から,ハザードの予測と主観的安全マージンの見積もりに係るスキルが走行速度の決定に与える影響を検証し,推奨速度とドライバ受容生の両立を図る適正速度を考察した.この成果は,自動車技術会関東支部学術講演会でベストペーパー賞を受賞した.(予防安全システム)推奨行為への誘導を目的とした間接型(状況理解と行為選択の支援であり,制御介入を含まない)と直接型(制御介入を含む)のドライバ支援を検討し,そのHMIと制御機構を構築した.
すべて 2022 2021
すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 7件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 2件)
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