研究課題/領域番号 |
19K14945
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研究機関 | 東京国際工科専門職大学 |
研究代表者 |
水上 憲明 東京国際工科専門職大学, 工科学部, 講師 (50735397)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 装着型ロボット / 腰痛予防 / 持上動作アシスト / サーボモータ / 同調制御法 / 非外骨格型構造 / 機械学習 |
研究実績の概要 |
ロボット操作用の専用アプリを搭載したモバイル端末で行っている持上動作と歩行動作,立位静止などの動作モードの切換えにおいて,装着者の意図を検知して,動作モードをシームレスに行う手法の開発を行った.関節の角度情報,腰部設置の3軸加速度センサとジャイロセンサの情報を学習用データとした教師あり学習の機械学習モデル構築を行った.学習用データとして,実際に装着者が持上と歩行,立位静止の3種類の動作にあるときのアシスト制御無しでの計測データを被験者3人分取集した.そして,学習済みの予測モデルに学習用とは別の計測データ(テストデータ)を入力して,動作検知した予測結果と実際の動作を比較した.その結果,90%以上の高い正解率が得られることを確認した. 更にこの予測モデルをロボットに実装して,操作端末を使用しないで,3つの動作モードが自動に連続的に切換えるための機能の開発を行った.動作モード切換え機能において,動作の変更時の予測モデルの正解率が重要になる.動作変更時の正解率の分析を行った結果,95%以上の高い正解率が得られていることを確認した.動作の変更時に100回の内に数回の誤検知があることを確認したため,誤検知の場合に誤った動作アシストが実行されないような機能を検討し,実験によってこの動作モード切換え機能の評価を行った.予測モデルが正しい動作検知を行う場合,連続して立位静止から歩行アシスト,立位静止から持上アシストへの切換えが行えることを確認した.しかし動作の変更時の正解率が低くなった場合には,立位静止から動作アシストに切換わらない課題も確認した.予測モデル構築に用いた学習用データはアシスト制御無しにおけるデータであった.そこで,動作モード切換え機能の性能向上のために,アシスト制御中でのデータも学習用に収取して,予測モデルを構築することで正解率の向上を図るための対策を開始している.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
感染症の流行のために複数の被験者に対するアシスト効果の検証実験の実施は延期したが,持上動作と歩行動作,立位静止などの動作モードの切換えを自動に連像的に行う手法の開発を前倒して行い,正解率の高い予測モデルを構築と予測モデルを実装した動作モード切換え機能の開発を行った.
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今後の研究の推進方策 |
・アシスト動作モードの切換え手法の開発:予測モデルの動作識別の誤検知における対策として,学習用データをアシスト制御ありとなしの2つの状態で収集し,動作の変更時で高い正解率が得られる予測モデルを構築する.そして,動作モード切換え機能の性能向上を行い,実験により評価を行う. ・アシスト効果検証実験:複数の被験者に対する筋電位計測を行い,脊柱起立筋の筋使用量の低減効果が得られるか検証していく.
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次年度使用額が生じた理由 |
装着部の試作とアシスト効果検証実験の延期のためである.次年度で装着部の試作検討とアシスト効果検証実験を行い,試作費用などと実験における人件費と謝金などの費用として使用する.
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