研究課題
化石燃料の枯渇や地球温暖化の進行に伴い,風力発電の導入拡大が期待されている.しかし,風力発電機は系統事故に対して影響を受けやすいため,系統事故により風力発電機群が一斉に系統から切り離され,電力系統の大停電を引き起こすことが問題視されている.本研究では,この問題を解決することで,風力発電の導入拡大に資するために,系統事故時における風力発電機の運転継続技術の開発を目指している.本研究では大きく分けて,①電力変換器を含む風力発電機モデルの構築(解析),②系統事故に頑強な制御法の開発(設計),③シミュレーションおよび実機での検証(検証)の3つに取り組んでいる。当該年度では開発した制御方法の有効性を実機実験にて検証した.本研究ではモデルベースの制御器開発を行ったが,実機実験を通して、提案制御法がモデルの変動に対しても問題なく動作することを確認した.さらに,対称・非対称事故にかかわらず,厳しい状況においても風力発電機が運転継続を達成できることを明らかにした。また,これまでの方法論に対し,提案制御法は試行錯誤をすることなく設計することができる。このような点に関しても実験を通して優位性を示すことに成功した.加えて,当初の計画を発展させ,インバータに接続されたリアクトル変動に対してもロバストな制御方法の開発に成功し,理論的にインバータが安定に動作することを証明するとともに,実機実験を通してもその効果が確かめられた.
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件)
IEEE Access
巻: 10 ページ: 28283~28294
10.1109/ACCESS.2022.3158567
IEEE Transactions on Industrial Electronics
巻: Early Access Article ページ: 1~1
10.1109/TIE.2021.3125654