研究実績の概要 |
本研究は、住宅用太陽光発電システムと搭載した需要家を研究対象とし、需要家と電力系統の双方からの電力融通を可能とする系統連系インバータの開発を目指している。需要家側の負荷変動による電圧変動や周波数変動を抑制するためには、「実時間における負荷の推定」と「負荷の状態に応じた電力調整」が必要となる。そのため、本研究では需要家からの電力融通に向け, 負荷推定機能を有する系統連系インバータを提案している。本年度は推定信号に擬似ランダム信号を使用し、住宅の様々な負荷を想定し、負荷切り換わり時の推定を検討した。さらに対象の大容量化を想定して、単相から三相へのシステム構成の構築を実施している。 本年度の研究実績としては、単相システムにおける負荷を切り替えた際の推定が挙げられる。さらに、大容量化を想定した三相システムにおける提案手法の適用が可能であることを数値的に立証した。 具体的な実績としては、査読付原著論文:南 政孝・寺口 直希「負荷切り換えに対応可能な系統連系インバータによる擬似ランダム信号を用いた負荷推定」、電気学会論文誌C、Vol. 141, No. 1, pp. 31-36, (2021)の掲載、学会発表:寺口 直希・南 政孝「擬似ランダム信号を用いた系統連系インバータによる三相負荷の推定に関する数値的検討」、電気学会 産業応用部門 半導体電力変換/家電・民生/自動車合同研究会(SPC/HCA/VT), SPC-20-227, HCA-20-077, VT-20-082, 2020年12月11日が挙げられる。
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