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2019 年度 実施状況報告書

人体内診断に向けたマルチセンサー磁気計測による磁気マーカーイメージング法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19K14996
研究機関九州大学

研究代表者

笹山 瑛由  九州大学, システム情報科学研究院, 准教授 (60636249)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード磁気マーカー / 磁気粒子イメージング / マルチセンサー / 体内診断 / 強磁場 / 傾斜磁場
研究実績の概要

ナノメートルサイズの強磁性体(磁気ナノ粒子)を高分子で被覆し、その表面に検査試薬や薬剤等を結合したものは磁気マーカーと呼ばれている。この磁気マーカーを体内の疾患部に蓄積させ、その位置と量を体表面から検出し可視化するイメージング技術(磁気粒子イメージング、MPI)は、新しい体内診断技術としてその開発が期待されている。人体に従来までの磁気粒子イメージング法を適用しようとすると物理限界を超える強い傾斜磁場が必要であったため、人体内診断が困難であった。そこで本研究では、マルチセンサー磁気計測による磁気マーカーイメージングを行うことにより、強い傾斜磁場を用いずとも高感度化かつ高分解化を達成させ、その問題を解決することを目標としている。
本年度は、振幅が10mTを超える強い交流励起磁界からの影響を抑制しながら、磁気マーカーから発生した数pT~数10pTオーダーの磁気信号を複数の計測点で同時に計測できるマルチセンサーシステムの基本システムの開発を行った。具体的には、励磁コイルからの磁場を直接受けぬよう、検出コイルの感度方向や配置の工夫を行い、さらに、検出コイル側の増幅回路にノッチフィルタなどの回路を入れるなどの電子回路上の工夫を取り入れたシステムとした。その結果、深さ25mmに配置した磁気ナノ粒子(Resovist)100μgFeを含有するサンプルの検出に成功した。さらに、2つ磁気ナノ粒子サンプルを置いても、距離が15mm離れていればそれらを区別して2次元イメージングできることを示すことができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度の目標は、強い励起磁界の影響を抑制しながら、磁気マーカーから発生した磁気信号を複数の計測点で同時に計測できるマルチセンサーシステムの基礎検証を行う事であった。その検証結果、深さ25mmに配置した磁気ナノ粒子(Resovist)の2次元イメージングに成功したことから、当初の計画を達成したといえる。

今後の研究の推進方策

本年度の目標は、強い励起磁界の影響を抑制しながら、磁気マーカーから発生した磁気信号を複数の計測点で同時に計測できるマルチセンサーシステムの基礎検証を行う事であった。その検証結果、深さ25mmに配置した磁気ナノ粒子(Resovist)の2次元イメージングに成功したことから、当初の計画を達成したといえる。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2020 2019 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Two-dimensional magnetic nanoparticle imaging using multiple magnetic sensors based on amplitude modulation2020

    • 著者名/発表者名
      Teruyoshi Sasayama, Takashi Yoshida, Keiji Enpuku
    • 雑誌名

      Journal of Magnetism and Magnetic Materials

      巻: 505 ページ: 166765~166765

    • DOI

      10.1016/j.jmmm.2020.166765

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 電磁気計測による非破壊イメージング技術2020

    • 著者名/発表者名
      笹山 瑛由
    • 雑誌名

      電気学会技術研究報告

      巻: MAG-20 ページ: 27~32

  • [雑誌論文] Spatial distribution imaging of magnetic nanoparticles using pickup coil array2019

    • 著者名/発表者名
      Sasayama Teruyoshi、Yoshida Takashi、Enpuku Keiji
    • 雑誌名

      Proceedings of Joint European Magnetic Symposia (JEMS)

      巻: 1 ページ: P10

  • [学会発表] 磁気ナノ粒子の磁気特性計測およびイメージング2020

    • 著者名/発表者名
      笹山 瑛由
    • 学会等名
      静岡大学ナノマテリアル応用研究会(Nano-MAP) 平成31年度 第5回 委員会
    • 招待講演
  • [学会発表] 電磁気計測による非破壊イメージング技術2020

    • 著者名/発表者名
      笹山 瑛由
    • 学会等名
      電気学会マグネティックス研究会
  • [学会発表] Spatial distribution imaging of magnetic nanoparticles using pickup coil array2019

    • 著者名/発表者名
      Teruyoshi Sasayama, Takashi Yoshida, Keiji Enpuku
    • 学会等名
      Joint European Magnetic Symposia (JEMS)
    • 国際学会
  • [学会発表] 磁気センサアレイによる磁気ナノ粒子トモグラフィの開発2019

    • 著者名/発表者名
      笹山 瑛由, 吉田 敬
    • 学会等名
      日本磁気学会学術講演会
  • [学会発表] 2D Imaging of Magnetic Nanoparticles using Multiple Pickup Coils and Amplitude Modulation2019

    • 著者名/発表者名
      Teruyoshi Sasayama, Takashi Yoshida, Keiji Enpuku
    • 学会等名
      International Workshop on Magnetic Bio-Sensing
    • 国際学会
  • [備考] 先端磁気センシング研究室 笹山 瑛由 個人ページ

    • URL

      http://www.sc.kyushu-u.ac.jp/~enlab/sasayama/research.html

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公開日: 2021-01-27  

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