研究課題
ナノメートルサイズの強磁性体(磁気ナノ粒子)を高分子で被覆し、その表面に検査試薬や薬剤等を結合したものは磁気マーカーと呼ばれている。この磁気マーカーを体内の疾患部に蓄積させ、その位置と量を体表面から検出し可視化するイメージング技術(磁気粒子イメージング、MPI)は、新しい体内診断技術としてその開発が期待されている。人体に従来までの磁気粒子イメージング法を適用しようとすると物理限界を超える強い傾斜磁場が必要であったため、人体内診断が困難であった。そこで本研究では、マルチセンサー磁気計測による磁気マーカーイメージングを行うことにより、強い傾斜磁場を用いずとも高感度化かつ高分解化を達成させ、その問題を解決することを目標としている。本年度は、振幅が10mTを超える強い交流励起磁界からの影響を抑制しながら、磁気マーカーから発生した数pT~数10pTオーダーの磁気信号を複数の計測点で同時に計測できるマルチセンサーシステムのシステムの改良を行った。具体的には、励磁コイルからの磁場の影響を抑制するため、検出コイル側の増幅回路にDAコンバータを用いた補償回路を入れるなどの電子回路上の工夫を取り入れたシステムとした。また、磁気マーカーの位置推定を行う逆問題解析手法として、脳波・脳磁計測で用いられている空間フィルタを適用することにより、深さ40mm前後に配置した磁気ナノ粒子(Resovist)100μgFeを含有するサンプルを10mm以内の誤差で安定的に位置推定できることを示した。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件) 備考 (2件)
IEEE Transactions on Magnetics
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10.1109/TMAG.2020.3014375
Journal of Magnetism and Magnetic Materials
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https://hyoka.ofc.kyushu-u.ac.jp/search/details/K005481/index.html
http://www.sc.kyushu-u.ac.jp/~enlab/sasayama/research.html