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2020 年度 実績報告書

超スマート社会における即時検査を目的としたウェアラブル非破壊検査デバイスの開発

研究課題

研究課題/領域番号 19K15002
研究機関国立研究開発法人理化学研究所

研究代表者

鈴木 大地  国立研究開発法人理化学研究所, 創発物性科学研究センター, 基礎科学特別研究員 (80823640)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2021-03-31
キーワードテラヘルツ / カーボンナノチューブ / 熱電変換 / 非破壊検査 / フレキシブルデバイス
研究実績の概要

テラヘルツ(THz)帯電磁波を活用したセンシング技術は、モノを壊さずに製品内部の劣化状況を診断することができる強力な非破壊検査手法として注目を集めている。しかし、既存のTHz計測システムは大規模な測定系を必要とするため自由に持ち運ぶことができず、そのため、モノの稼働現場における即時検査手法としては応用ができないという問題がある。
そこで本研究では、モノの形状や設置場所といった測定環境に制限されない自由度の高いTHz計測システムの確立を目指し研究を実施した。
2020年度は当初の計画であるウェアラブル非破壊検査デバイスの開発と即時検査応用の実証実験に取り組んだ。2019年度に確立した自己整合成膜技術を用いてカーボンナノチューブ(CNT)膜をポリイミドフィルム上に2次元にアレイ化することで、任意の形状に合わせて切り貼りして使用できるフレキシブルTHzカメラパッチを開発した。また、開発したカメラパッチを用いて、プラスチック板内部の欠損診断、配管内部のつまり箇所の可視化、ヒートワイヤーのリアルタイムモニタリングといった様々な非破壊検査応用を達成した。加えて、ドーパント蒸着法におけるドーピング箇所の染み出し量を伝熱解析により明らかにした。先行研究における実験結果では蒸着法におけるドーパントの染み出し量は100um前後とされていたが、伝熱解析の結果、この値は「ドーパントの染み出し量」と「測定系由来の熱の染み出し量」の合算であることがわかり、真のドーパント染み出し量は15um程度であることが判明した。現在、この15umのドーパント染み出しが何に由来するものかの解析を行っており、今後の原因解明および対策によりドーパント染み出し量を1um程度に軽減することで微細ドーピング手法を確立することを目指す。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] A Terahertz Video Camera Patch Sheet with an Adjustable Design based on Self‐Aligned, 2D, Suspended Sensor Array Patterning2021

    • 著者名/発表者名
      D. Suzuki, K. Li, K. Ishibashi, Y. Kawano
    • 雑誌名

      Advanced Functional Materials

      巻: 31 ページ: 2008931

    • DOI

      10.1002/adfm.202008931

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Series Photothermoelectric Coupling Between Two Composite Materials for a Freely Attachable Broadband Imaging Sheet2021

    • 著者名/発表者名
      K. Li, D. Suzuki, Y. Kawano
    • 雑誌名

      Advanced Photonics Research

      巻: 2 ページ: 2000095

    • DOI

      10.1002/adpr.202000095

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Terahertz and infrared response assisted by heat localization in nanoporous graphene2021

    • 著者名/発表者名
      D. Suzuki, T. Okamoto, J. Li, Y. Ito, T. Fujita, Y. Kawano
    • 雑誌名

      Carbon

      巻: 173 ページ: 403~409

    • DOI

      10.1016/j.carbon.2020.10.059

    • 査読あり
  • [学会発表] 品質情報可視化に向けたテラヘルツ非破壊検査技術2020

    • 著者名/発表者名
      鈴木 大地
    • 学会等名
      接着・接合技術コンソーシアム 第2回非破壊検査ワーキンググループ
    • 招待講演

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公開日: 2021-12-27  

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