研究課題/領域番号 |
19K15008
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
Zhu Junfang (朱俊方) 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 研究員 (70805134)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 微小力 / 微小力計 / 力計測 / キーブルバランス / 電磁力 / 精密計測 / 力学量計測 |
研究実績の概要 |
本研究では、医療・食品、バイオテクノロジー、ナノ物質・材料等の幅広い分野で行われている微小力計測の信頼性を向上させるため、キッブルバランス法の原理を応用した電磁力による精密な微小力発生技術・計測技術の開発を目的とする。キッブルバランス法は、磁場に置かれている導体に電流を流した際の電気的仕事率と、ある速度で導体を動かした際の機械的仕事率を釣り合わせる手法である。当該年度は、研究代表者はキッブルバランス法の原理に基づいて新たな手法を提案し、従来のコイルの直線運動型の装置と違い、磁石の回転運動型の電磁力による微小力発生装置を研究開発した。本提案の手法には、二つのモードがあり、それぞれ力発生モードと誘導起電力測定モードと称す。その研究開発にあたって、具体的に下記に述べる項目を実施した。①支点とする摩擦力のない高感度なエアベアリング及び安定に給気できるシステムを開発した。②支点から力点の距離を一定させるためのアームを設計製作した。③矩形コイル及び永久磁石による対向型磁気回路を設計製作した。④磁石の角速度・角度位置計測系、アームの先端にある力点の位置計測系を構築した。⑤計測時に微小力計に精密な力を負荷するための微小力昇降機構を開発した。⑥磁石の回転や微小力計昇降を正確に動作させるための制御システムの構築を進めた。本装置と別途開発整備する微小力計を用い、力発生モードと誘導起電力測定モードの二つの計測実験を行い、電磁力による精密な微小力を発生させ・計測することが可能となる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2019年末からのコロナ禍により、本装置組み立てに必要な一部の部品の予定通りの調達が困難となり、磁束密度とコイルの形状・巻き数の積、微小力と電流の関係等の評価は至らなかったが、当該年度までに電磁力による微小力発生装置本体を構築することができた。現在は、それらの評価ができるように準備を着実に進めている。よって、本研究の目的である電磁力による精密な微小力の発生技術・計測技術の開発に向けて、おおむね順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は本装置と別途開発整備する微小力計を用い、力発生モードと誘導起電力測定モードの二つの計測実験を行い、磁束密度やコイルの形状・巻数の積を精密に評価し、微小力と電流との関係を検討する。また、微小力計への負荷を実施し、校正結果の不確かさを評価する。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由:当該年度中に調達予定の永久磁石による対向型磁気回路の次年度に納品され・支払いするとのことがあった。また、製作する機械部品の調整により予算額の僅かな変動があった。 次年度使用計画:対向型磁気回路の支払い、計測制御システムを構築するための電気部品や微小力計に負荷するためのジグ等の機械部品の製作を計画している。
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