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2020 年度 実施状況報告書

2位相変調法によるチップスケール原子時計の小型化

研究課題

研究課題/領域番号 19K15009
研究機関国立研究開発法人情報通信研究機構

研究代表者

矢野 雄一郎  国立研究開発法人情報通信研究機構, 電磁波研究所時空標準研究室, 研究員 (80781765)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードチップスケール原子時計 / CPT
研究実績の概要

携帯電話などの小型端末に搭載できるチップスケール原子時計の実現に際して、外部磁場低減のための多重の磁気シールドは小型化の大きな障害となる。本研究では磁気シールドを軽装化することを目的として、磁場に敏感な遷移(ゼーマンサブレベル)を位相変調法による原子共鳴検出により高精度に計測する方法を検討している。残念ながら、今年度はCOVID19による出勤制限により検証実験の実施は大幅に遅れ、当初計画通りには遂行されなかった。来年度以降の制限を考慮し、在宅で実験できる環境を整備するために時間を要している。数値解析では、提案する2位相変調の数値解析を実施した。解析にはアルカリ原子のD1遷移構造をモデル化したΛ型三準位モデルを採用した。ガラーキンスペクトルに基づいた時間応答高速解析を利用して、時間応答に対する共鳴特性を計算した。その結果、2位相変調によって時計遷移とゼーマンサブレベルの同時測定の可能性を明らかになった。計算結果からは、互い独立して2つの遷移を分離するために、2つの変調周波数の差周波数でゼーマン分裂周波数を計測すべきこと、その2つの変調の変調度には互いの影響を抑制する最適な変調度と2つのエラー信号の重みづけが存在することが分かった。提案法を実施するための実験条件と実験装置の仕様構成が明確にした。これら内容は、国際会議USE2020にてオンラインで報告した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

数値計算による解析は順調であるが、COVID19による出勤抑制により、実験時間の確保が難しく、検証実験が想定よりも大幅に遅れている。新規実験装置の導入やリモートコントロールによる測定環境の整備などに時間がかかっている。

今後の研究の推進方策

数値解析はこれまで通り進めていく予定である。実証実験については、リモートコントロールによる測定環境の整備を進めるほか、測定用の電子回路の製造依頼することを検討する。

次年度使用額が生じた理由

COVID19による影響で実験装置の製作が進んでいないため。実験装置の製造については、勤務状況を考慮して外注製造を検討するなど円滑な実験実施に努める。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Investigations on simultaneous detection of CPT resonances by two-phase detection2021

    • 著者名/発表者名
      Yuichiro Yano, Masatoshi Kajita, Tetsuya Ido, Motoaki Hara
    • 学会等名
      USE2020
    • 国際学会

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公開日: 2021-12-27  

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