研究課題/領域番号 |
19K15017
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研究機関 | 北九州市立大学 |
研究代表者 |
藤本 悠介 北九州市立大学, 国際環境工学部, 講師 (60826204)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | データ駆動制御 / 正則化 / 二自由度制御 |
研究実績の概要 |
2020年度は,提案する超高自由度制御器を剛体リンク・柔軟リンクシステムに適用する実験を行い,一件の学会発表の他,関連する3件の投稿を行った(査読中).また,要素技術(正則化)に関連した発表をいくつか行った.既発表の具体的な内容としては,二自由度制御系におけるフィードフォワード制御器のパラメータ数を4000とし,そのパラメータを一回の実験から調整した.柔軟リンクは宇宙機などでも使用されることのある複雑なシステムであり,通常その制御にはそれなりの解析あるいは調整が必要である.しかし,提案法では制御器に4000という非常に高い自由度を持たせ,たった一回の予備実験で柔軟リンクを一定の性能で制御することができている.これは提案法の有用性を示すものであり,複雑な制御対象に対する簡便な調整規則としての本研究の意義を示すものと考えられる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画では,2020年度ではパラメータをどれだけ増やせば良いのかの理論的解析を主とする予定であった.しかし,この内容についての一定の内容が競合他研究室より発表されたため方針を転換し,異なるパラメータ調整則の提案と実機検証に注力することとなった.結果として,柔軟リンクという複雑なシステムでの実機検証に成功したことから,進捗状況を「おおむね順調に進展している」と評価するものである.
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今後の研究の推進方策 |
2021年度では,パラメータ調整則の提案と実機検証,および外部発表に注力する.特に実機検証については,柔軟リンク以外にもドローンなどへの適用を試みる. ただし,研究遂行の上で最も大きな課題として,COVID-19の影響が挙げられる.2021年5月12日より福岡県においても緊急事態措置が実施され,これに伴い学生の大学への入構が一部制限されることとなった.このような事態が継続するようであれば,実験の進行に遅れが生じる可能性がある.対策は容易ではないため,状況に応じて実機実験をシミュレーション検証へ差し替えるなどの対応を取る.
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19の影響により学会が全てオンライン形態へ移行したことから,旅費がゼロとなった.このため次年度使用額が生じた.次年度では論文別刷り料などで使用する予定である.
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