制御工学自身は,モータあるいはそれを組み込んだロボットハンド,車両の速度制御など多様かつ産業上も重要な応用を数多く持つ.通常は対象の数理モデルを基に制御器を設計するが,制御対象は年々複雑化しており,モデルを得ること自体が難しい.そこで,データから直接制御器を設計するデータ駆動制御が近年注目されている.一方で既存のデータ駆動制御は高々十数個程度の可調整パラメータからなり,極めて複雑な対象に対しては限定的な性能しか出せない.そこで本研究では数百から数千ものパラメータを持つ制御器をデータから設計した.ただし,パラメータ数が多いとノイズの影響を受けやすい.その影響の低減が本研究の一つの主眼であった.
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