研究実績の概要 |
2022年度に引き続き、エネルギー効率の意味での自転車ペダリングアシスト最適化について検討し、実機により取得したペダリングトルクのデータを用いた数値シミュレーションにより検証をおこなった。主として、並列フィードフォワード補償器を用いたロバスト単純適応制御の応用により、一つのアシストモーターによって次の(1)と(2)を同時に実現することを検討した。(1) 自転車駆動系にかかる負荷が変動する状況下でも、ヒトが感じる負荷は一定。(2) 速度の脈動を抑制することで、エネルギー損失を低減。また、本研究の成果を国際会議(9th International Conference on Control, Decision and Information Technologies, CoDIT'23)にて発表した。 本研究の派生として、測定値の誤差が変動する状況下で使用できる制御器の設計法の改善を検討した。新たな仮想パラメータを追加した新設計法では、従来の設計法に比べ保守性の低減を実現した。レンズ歪みを補正せずに、魚眼レンズを用いた倒立振子の視覚フィードバックシステムを用いて検証したところ、台車位置の変動にともなってレンズ歪みを起因とする計測誤差が変動する状況下でも振子の倒立が維持されることを実証した。本研究の成果を国際会議(49th Annual Conference of the IEEE Industrial Electronics Society, IECON 2023)で発表している。
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