現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
強誘電体トランジスタにおけるデバイス動作の物理機構を明らかにすべく、2019年度に強誘電体トランジスタの分極と反転層電荷密度を直接観測する手法の確立とそれらの実際の振る舞いの解明を目指した。 実際の2019年度の研究において、強誘電体の分極を測定する手法、強誘電体トランジスタのゲート直下の全電荷を測定する手法、ゲート直下の自由電荷の測定手法を確立し、実験的に検証して、研究計画通りに進んでいる。 デバイスのミクロな物理機構の理解に関しては、計画通りに強誘電体トランジスタを作製し、デバイスの評価が順調に進んでいる。デバイス評価の結果、予想していたデバイス動作とは異なり、これまで知られていたMOSFETとはまったく異なる現象(巨大なトラップ電荷密度)が起きていることを発見した。そのため、デバイスのモデル化は予想していた研究計画よりも慎重に行う必要があり、現在は取り組み中である。今回の結果を世界的権威のある電子デバイス会議IEDMで成果発表し、成果が高く認められた。(K. Toprasertpong, M. Takenaka, and S. Takagi, “Direct observation of charge dynamics in FeFET by quasi-static split C-V and hall techniques: Revealing FeFET operation,”in Technical Digest of 2019 IEEE International Electron Devices Meeting, pp. 570-573) 以上のことから、本研究は順調に進んでいるといえよう。
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