単層カーボンナノチューブ(SWNT)の最短骨格環状構造であるシクロパラフェニレン(CPP)を,シリコン基板表面上に修飾した直鎖状分子(分子杭)に輪投げの要領で導入後,CPP同士を熱融合させることで円筒状構造が得られた。直鎖状の分子杭として,エチレングリコール(EG),シランカップリング剤,ホスホン酸誘導体等を採用したところ,得られる円筒状構造に差異が見られた。シリコン基板上に配列させる分子杭の膜密度や,それとCPPの分子間力を緻密に制御することによって,CPP同士を理想的配置で熱融合させ,特定の螺旋度を有するSWNTの合成を達成できる可能性が示唆された。
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