半導体や太陽電池材料などの機能性物質において、ごく僅かに含まれる不純物水素がその特性に影響を与えることが知られている一方で、不純物水素の電子状態を直接調べることは極めて難しい。本研究では、さまざまな機能性物質のミュオンスピン回転・緩和実験を行い、擬似水素としての素粒子ミュオンの電子状態を、第一原理計算との組み合わせによって明らかにした。エレクトライド物質LaScSi, 電池・触媒物質β-MnO2、太陽電池材料CH3NH3PbI3において、希薄極限にある擬似水素としてのミュオンの格子間位置を精度良く決定することに成功した。
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