本研究では、機械的共振による速度増幅に依存することなく静電型振動エナジーハーベスタの周波数帯域幅を改善する設計手法を提案し、新たに非定常振動型発電素子を実現した。従来の共振型と異なり、短い櫛歯電極構造によりエレクトレットを高密度化し、微小な可動部変位でも誘導電流を回収する。 同一レイアウトの非定常振動型発電素子チップを作製し、エレクトレット電位を-200 Vから-300 Vを増強した際に、NPD(Normalized Power Density)は0.7 mW/cm3/G2の高い値を維持したまま、帯域幅が3.6倍改善し64 Hzに拡張されることを実証した。
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