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2021 年度 実施状況報告書

低温オートクレーブ養生による高強度コンクリート二次製品の創出

研究課題

研究課題/領域番号 19K15063
研究機関日本大学

研究代表者

山口 晋  日本大学, 生産工学部, 准教授 (60582468)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワードオートクレーブ養生 / シリカフューム / 高分子凝集材 / 遠心成形 / スラッジ
研究実績の概要

高強度コンクリート二次製品の製造に用いられているオートクレーブ養生は,180℃-1MPa の高温・高圧の蒸気養生である.この方法は,短時間で高強度の製品を製造・出荷を可能とする利点を持つ一方,多くのCO2を発生させることから,脱炭素社会の実現に対しては課題となっていた.そこで,シリカフュームを混和し,十分な前置き養生期間を確保することで,養生温度をが150℃の場合においても,従来法と同等の強度発現性を得られる新たな技術を提案した.しかし,実用化にあたっては,遠心締固めに伴う排出スラッジの処理の問題や内面層がセメントリッチとなることによるひび割れ等の検討が必要であった.また,遠心成形によって,水和反応に必要な水まで脱水させてしまう可能性が考えられていた.

そこで高分子凝集材を用いて,水和反応に必要な水分量をコンクリート内に確保させると同時に,スラッジの発生量の低減を目的とした検討として,水溶性メチルセルロースを用いた場合のコンクリートの遠心締固め性状に着目した検討を行った.その結果,添加に伴う内面性状の均一化とスラッジ密度,スラッジ水の発生量は一定の関係が認められたものの,メチルセルロースが自由水を保形する作用によって水和の進行に影響し,強度は低下する結果となった.

2021年度は高分子凝集材としてこれまで用いたメチルセルロース系とアクリル系の2水準,およびシリカフュームをフェロシリコン系と電融ジルコニア系の2水準を用いて,添加量を変化させた場合の強度発現性に着目した検討を行った.その結果,シリカフュームの種類や保水性材料の種類の組み合わせによって強度発現の挙動が異なるという新たな知見が得られた.すなわち,フェロシリコン系はメチルセルロース系,ジルコニア系はアクリル系との効果が高く,使用量が少量であれば,強度が最も高い添加しない場合とほぼ同等の強度発現性が得られることがわかった.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

2019年度ならびに2020年度におけるコロナ禍による研究の進捗が遅れ分に関しては2021年度に大幅に取り戻すことができた。研究実績で述べた結果を元に、高分子凝集材とシリカフュームの材料や添加量の最適化を図り、コンクリートを用いた遠心成形による検討を行う予定である。

今後の研究の推進方策

2022年度は、2021年度の結果を踏まえ、高分子凝集材をメチルセルロース系は0%,0.01%,0.02%の3水準,アクリル系は,0%,0.5%,1.0%の3水準とし、シリカフュームはフェロシリコンとして添加率はC×0%,2.5%,5%でモルタルを用いた検討を行う.材齢は7日の水中養生および水中養生後のオートクレーブ養生を実施し、圧縮強度、細孔空隙量によって評価を行う.さらにこれらの結果を用いて、使用材料および配合の最適化を図り、コンクリート配合による遠心成形による影響を検討し、コンクリートの遠心締固め性状に対する、スラッジ発生量やスラッジ密度,そして圧縮強度試験によって評価を実施する.

次年度使用額が生じた理由

理由 当該年度はコロナ過のため次年度に計画を延長することとし,繰り越した。
使用計画 次年度の計画を実施するための実験材料等を購入する。

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公開日: 2022-12-28  

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