本研究では、孟宗竹の含水状態および混入量が孟宗竹繊維補強ポーラスコンクリートや孟宗竹粉を混入した保水性セメント系充填材の各種性能に与える影響について実験的に明らかにし、工学的な配合設計法や保水性能を明らかにすることを目的としている。 これまでに実施した主要な研究内容は、A)孟宗竹繊維の含水状態がセメントペーストの流動性に与える影響の検討、B)孟宗竹繊維補強ポーラスコンクリートの各種性能の評価、C)孟宗竹粉を混入した保水性セメント系充填材の保水性能の評価、である。 それぞれの主要な研究成果としては、A)孟宗竹繊維の含水状態がセメントペーストの流動性に与える影響は孟宗竹の繊維飽和点を境に変化すること、B)孟宗竹繊維と粗骨材の混合物の実積率によって配合設計できること、および、孟宗竹繊維の含水状態や混入量が孟宗竹繊維補強ポーラスコンクリートの透水性、圧縮強度、曲げ強度、曲げタフネスおよび骨材の飛散抵抗性に与える影響を明らかにしたこと、C)孟宗竹粉をセメント系充填材に分散した状態で存在させるためには、4日以上の吸水させた孟宗竹粉を用いること、および、セメント系充填材の保水性能の孟宗竹粉による付与効果は、使用する細骨材によって異なること、を示したことである。 最終年度(2021年度)は、D)孟宗竹を用いた保水性舗装材料システムの昇温抑制効果の把握を実施して、本検討で用いた孟宗竹による保水性舗装材料システムの表面温度の上昇抑制効果は、孟宗竹量2vol.%で1.3℃程度であることを示した。
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