研究課題
本研究では,機械学習技術の開発,損傷形態との対応付け,データ集約方法の検討,検証実験の4点を課題とした.最終年は前年度までの成果に加えて,移動制限により叶わなかった実地での検証や研究成果の公表を主に行った.特に,今後の研究の展開を見据えて箱桁橋における年間を通じた振動計測を実施し,振動特性の季節変動について基礎データの収集をおこなった.また,振動モードごとに異常指示指標を評価する手法を新たに開発し,損傷形態との対応付けに関する実践的な方法を検討した.研究期間全体を通じた総括は下記のとおりである.まず機械学習の開発については概ねその目的を達成できた.しかし振動特性の季節変動を考慮したモデルの構築については,当初の目的とした自律的な学習を行う段階には至っていない.代わりに,季節変動を含めた不確実性を統計モデル上で定量化する方法を提案し研究を進めた.損傷形態との対応付けについては,異常を示している振動モードを検出する方法を新たに提案し,局所的な剛性の変動と振動モードとの対応付けの可能性を示した.また,提案手法を応用したモデルアップデートの手法も検討された.データの縮約については計算方法を確立し,問題なく動作することを確認した.検証実験については感染症対策のため実施が叶わないものも多かったが,橋梁に代わり標識柱を対象とした手法の適用において進展がみられた.また,上記箱桁橋での年間を通じた計測を実施したほか,本研究に関連した共同研究においても本研究課題の成果を既に応用している.
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 5件、 招待講演 3件)
構造工学論文集 A
巻: 69A ページ: 467~474
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10.11532/structcivil.69a.318
土木学会論文集A2(応用力学)
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ASCE-ASME Journal of Risk and Uncertainty in Engineering Systems, Part A: Civil Engineering
巻: 8 ページ: 04021082
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