【H形鋼梁による捩り曲げを受ける非構造部材の剛性及び非構造部材-梁の接合部拘束度の把握】2021年度は2020年度に再現したルーフデッキの取りつくH形鋼梁の捩り実験を有限要素解析モデルを用いて,載荷はじめの初期剛性(回転補剛剛性)及び最大荷重について評価式を提案した。 【縮小模型振動台実験による鉄骨構造物内の並列H形鋼梁の動座屈崩壊メカニズムの解明】2021年度は1層2スパンラーメン骨組みにおけるH形断面梁の静的及び動座屈実験を行った。その際,2020年度の知見をもとに,並列する梁断面が異なる場合の動座屈挙動を明らかにした。振動台の揺れに対して共振をさせることで,急激に梁の塑性化を進み,並列する梁の内一方の梁が最大荷重に到達後,他方の梁によって荷重低下が緩やかになることを確認した。 【部分架構載荷実験による連続補剛H形鋼梁の横座屈に対する柱梁接合部及び連続補剛材の拘束効果】2021年度は梁3断面,柱2断面による骨組み内の柱梁接合部を模擬した試験体を製作し,部分架構載荷実験を行った。以下の結果を得た。以下に,主な成果を示す。 1)繰返し回数が増加することで柱断面がH形断面の方が箱形断面の場合より梁端の反り変形が抑えられるため,梁の最大耐力時までの回転角が大きくなる。2)屋根折板を梁の横座屈に対する連続補剛材とした場合,回転補剛剛性は理論値の5.0%程度となる。3)上フランジの軸歪に対して屋根折板の軸歪は1%程度となっていることから,梁の面内曲げに対する屋根折板の寄与は小さい。
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