研究実績の概要 |
2021年度は計画通り4系統の実験を行った。 シリーズ1:粒径0.85~2mmを主体とする砂と泥岩粒子を混合した泥岩含有率Mc=0,2,5,10,20,30,50%の試料を用い、液状化挙動に対する供試体密度の影響を三軸試験により調査した。その結果、間隙比の減少に伴いMc≦10%では液状化に達するまでの繰返し回数Ncが大きく増加するが、Mc≧20%ではNcがほとんど変化しないことを示した。 シリーズ2:Mc=30%の供試体に対して圧密後に乾湿繰返し作用を与えることで泥岩粒子のスレーキングを進行させた上で、三軸液状化試験を行った。各作用の終了時には、S波速度の計測と微小繰返し載荷を行うことで剛性を評価した。その結果、①スレーキングの進行により供試体密度は増加するにもかかわらず、乾湿繰返しを与えない供試体に比べてNcが減少する傾向にある、②乾燥過程では高密度化の影響により初期状態より剛性が増加する傾向にあるが、間隙比関数を用いることでスレーキングによる骨格構造の劣化を表現できる可能性があることを示した。 シリーズ3:シリーズ1と同一の試料を用いて、液状化履歴を与えた供試体と与えない供試体に対して非排水三軸圧縮試験を行った。その結果、①両者の強度は液状化強度と同様にMc=20%にて最小となりMc≧30%では増加する傾向にある、②液状化後の強度残存率も①と同様な挙動を示しMc=20%では約3割になることを示した。 シリーズ4:直径4~5mmのガラスビーズと泥岩粒子を混合したMc=20,40%の試料を用いて、アクリル面を有する角柱モールド内に間隙比一定の供試体を作製し、一次元圧縮下で乾湿繰返し作用を与えた。その結果、細粒化した泥岩粒子がガラスビーズの間隙に入る様子やガラスビーズの移動が確認でき、同じMcでも泥岩粒子が層状をなす場合よりも点在する場合の方が高い圧縮性を示すことを明らかにした。
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