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2020 年度 実施状況報告書

海底表層地盤開発に向けた地盤骨格変形-流体浸透-熱輸送体系の統合

研究課題

研究課題/領域番号 19K15094
研究機関国立研究開発法人海洋研究開発機構

研究代表者

野村 瞬  国立研究開発法人海洋研究開発機構, 付加価値情報創生部門(数理科学・先端技術研究開発センター), 研究員 (20705701)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード地盤工学 / 連成解析 / 深海底地盤
研究実績の概要

海底表層地盤の力学メカニズム解明に向け,特殊な環境変化を伴う地盤状態を評価できる多相連成手法の総合化を研究テーマとしている.海底面と地殻に挟まれた境界部には必ず海底地盤が存在し,その領域は地球規模でみると狭く,占有率は大きくない.しかしながら,自然界でみられる多くの境界部同様,多様な物理化学現象が観察される領域であり,地球ダイナミクスの解明とその産業利用に,大きな期待が寄せられている.
研究過程では,これまで独立に捉えられてきた,①地盤骨格の変形安定問題,②流体浸透-物質輸送問題,③熱輸送-状態変化関係の理論統合に向け,実験・解析事実を蓄積し,海底資源開発やインフラ整備へと技術を援用するための基礎理論の構築を進めている.
現在,数理理論の構築を中心に研究を進めており,既存の地盤工学の力学体系に熱や化学作用を取り入れることで当該効果がどのように影響を与えるか理論の整理を進めている.また,地盤中の熱や溶解物質が地盤内を運動する際,温度,圧力,濃度といった逐次変化する環境因子の中でそれらがどのように領域に伝播していくか,質量保存則,混合体理論をもとに明らかにする手法を検討している.加えて,連続体理論をもとに,海洋構造物と地盤材料の境界で生じる両者の相互作用を適切に考慮するための地盤材料-構造物接触問題について地盤の力学現象を拡張し,再整理する方法について検討を進めている.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

物質移動作用を中心とした理論構築に向けて,地盤中の移流分散モデルを整理できた.また,既存の実験データを見直す中で,地盤力学の力学体系に援用する手法を模索中である.加えて,海底表層軟弱地盤の力学体系や海底構造物と地盤の相互作用の定量化のための理論を構築中であり,力学体系が完成次第,既存の実験結果や現場試験との整合を確認する.

今後の研究の推進方策

本年度までに得た知見をさらに発展させ,海底地盤で生じている力学現象について定性的な現象を理解するための解析ツールを整備する.その上で海底地盤における調査技術開発に向けた実験設備を整える.

次年度使用額が生じた理由

旅費については,コロナ禍のため移動制限がかかり,予定していた研究集会への参加を見送ったため,次年度以降に繰り越しを行う.
また,当初購入予定であった,実験装置の製作については発注業者との話し合いの中で設計の再考の必要性が生じ本年度は購入を見送った.実験装置に関しては業者の再度の見積もりや話し合いを通して次年度以降に購入を検討する.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Measurement of the inner structure of turbidity currents by ultrasound velocity profiling2021

    • 著者名/発表者名
      Hitomi Jumpei、Nomura Shun、Murai Yuichi、De Cesare Giovanni、Tasaka Yuji、Takeda Yasushi、Park Hyun Jin、Sakaguchi Hide
    • 雑誌名

      International Journal of Multiphase Flow

      巻: 136 ページ: 103540~103540

    • DOI

      10.1016/j.ijmultiphaseflow.2020.103540

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Quasi-stationary flow structure in turbidity currents2020

    • 著者名/発表者名
      Nomura Shun、De Cesare Giovanni、Furuichi Mikito、Takeda Yasushi、Sakaguchi Hide
    • 雑誌名

      International Journal of Sediment Research

      巻: 35 ページ: 659~665

    • DOI

      10.1016/j.ijsrc.2020.04.003

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] 音響層別流速計(ADCP)長期観測データの復旧と解析2020

    • 著者名/発表者名
      岩瀬良一,野村瞬
    • 学会等名
      第41 回超音波エレクトロニクスの基礎と応用に関するシンポジウム
  • [学会発表] 179th Meeting of the Acoustical Society of America2020

    • 著者名/発表者名
      Ryoichi Iwase, Shun Nomura
    • 学会等名
      Long-lasting acoustic resonant signal associated with the turbidity current triggered by the 2003 Tokachi-oki earthquake
    • 国際学会
  • [学会発表] 有限要素法によるコーン貫入の数値解析2020

    • 著者名/発表者名
      野村瞬, 笠谷貴史,阪口秀
    • 学会等名
      第55回地盤工学研究発表会

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公開日: 2021-12-27  

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