本研究では,まず,流れと流砂運動を二相流的に扱うことで掃流砂と浮遊砂の非平衡運動を考慮した新しい河床変動解析法を開発し,これを掃流砂と浮遊砂が生じる橋脚周辺の移動床実験に適用し,橋脚前面及び周囲の洗掘,橋脚背後の堆積を説明した. 一方,実河川は混合粒径であるため,実河川において,粒径毎の流砂の運動方程式を流れとの相互作用を考慮して計算することは困難であることから,本質を失わない範囲で上記解析法を簡略化し,浮遊砂の卓越する石狩川河口部の昭和56年8月洪水に適用した.これにより,従来説明出来なかった複断面的蛇行流れに伴う3次元的な流れと浮遊砂運動,河床変動を説明した.
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