研究課題
本研究では、信号現示長、横断歩道長及び歩行者交通量の標準的な信号交差点において横断歩行者の流動状況を再現し、横断歩行者と左折車との交錯機会の量的変化を、歩行者青時間の進行に伴って定量的に評価する方法を開発した。そして、信号制御の歩行者流動状況を考慮した安全性指標を提案した。また、歩行者存在確率分布に基づいて、横断歩道の二方向から進入する横断歩行者流を考慮した左折車両の通行が歩行者に妨げる時間を計算した。その時間において歩行者数や横断歩道の幾何構造による影響を考慮した左折車の捌け率を推定し、二方向横断歩行者の影響を考慮した左折車線の交通容量の推定手法を開発した。これらの方法に基づいて、交差点の安全性と円滑性の両方の観点から、信号交差点の幾何構造や交通条件に応じた信号現示方式の評価手法を提案した。この手法を用いたケーススタディを通じて、歩行者の安全性と自動車の円滑性の両方を確保する観点から、導入する交差点の特性に応じて、合理的な信号現示の設定を検討した。さらに、将来的に自動運転車の普及段階において、自動運転車と手動運転車と横断歩行者が混在する状況になり、信号現示の設定にも大きく影響するため、シミュレーションによりケーススタディを行い、自動運転車の混在状況を再現し、自動運転車の設定に応じて横断歩行者の存在が信号交差点の性能に与える影響を確認した。そして、その変化に応じて信号設計のあり方について議論を行った。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件)
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