研究課題/領域番号 |
19K15115
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
片岡 由香 愛媛大学, 社会共創学部, 講師 (20747307)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 中間組織 / 媒介者 / コミュニケーション / 空間デザイン |
研究実績の概要 |
本研究課題は,多様なプレイヤーが参画する公共ガバナンスの本質が「コミュニケーション」にあると考え,Sperber and Wilsonによって提唱された関連性理論(relevancy theory)を拡張して,コミュニケーションを有効に機能させるための新たな解釈フレーム(メタフレーム)を形成する役割を担う主体としての中間組織に注目している.本研究は,関連性理論に依拠しながら,コミュニケーションの媒介者の存在意義を「メタフレーム」という概念を導入して媒介者が存在するコミュニケーションメカニズムを形式的に表現することを目指している. 1年目の令和元年度では,研究計画で示した「課題B:中間組織のメタフレーム形成機能に関するケーススタディ」に取り組んだ.研究代表者が所属している「松山アーバンデザインセンター」の取り組みを整理し,空間デザインの現場において,市民や民間組織,行政などの関係するステークホルダーを媒介している事業を抽出し,メタフレームの存在を例証した.加えて,関西大学先端科学技術推進機構による「戦略的研究基盤 団地再編プロジェクト」を対象に,ヒアリング調査を実施した.同プロジェクトは,京都府八幡市に位置するUR男山団地の再生を対象に,関西大学,京都府,八幡市,UR都市機構による協働によって再生(プロジェクト内では「再編」と呼んでいる)事業を展開している.事業展開には,「男山地域コーディネーター(元同プロジェクトの学生メンバー)」が各ステークホルダーのコミュニケーションを有効に機能させており,媒介者としての役割が確認された.最終年度に向けては,媒介者によるコミュニケーションメカニズムの解明を目指す.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和2年度は,研究計画における課題B(追加データ収集)と課題Cに取り組む予定であり,それぞれの課題に対して一定の成果を導いており,概ね順調に進展している.
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度は,本研究課題の最終年度である.令和元年度の研究成果がまだ査読付き雑誌という形でとりまとめられていないため,論文としての形式でとりまとめる.さらに,研究計画の「課題C:中間組織の評価枠組みの開発」として,本研究課題の成果をとりまとめる.
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次年度使用額が生じた理由 |
令和 2 年 1月,発注元から予定していたPC関連機器の納品が年度内に実施出来ないことが判明し,次年度に購入することとなった.
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