研究課題/領域番号 |
19K15119
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研究機関 | 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所 |
研究代表者 |
森 亮太 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, 電子航法研究所, 上席研究員 (30560114)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 空港 / 機械学習 / 不確定性 / 最適化 |
研究実績の概要 |
離陸までの地上航空機の効率向上策については、混雑空港においては滑走路において他の航空機の離着陸待ちが発生するため、ゲート出発時刻を調整することにより、いかに離着陸待ちを減らせるかがポイントとなる。今年度は、その手法として、ゲート出発予定時刻の予測性向上を主として実施した。ゲート出発予定時刻は航空会社から提供されるが、適宜データは更新される。実際のゲート出発時刻もデータとして存在するため、この更新履歴のデータをもとに、ゲート出発が可能となる時刻をニューラルネットワークにより予測する手法を開発した。時刻の予測にあたっては、一点の推定ではなく分布の推定とすることにより、各時刻におけるゲート出発の可能性を確率で表すこととした。今後、これらの内容について学会で発表を行う予定である。 上昇中の燃料削減策については、航空機の上昇中にエンジン推力を減らすことにより、エンジン効率を高め、燃料消費が1フライトあたり10~60ポンド程度削減可能な手法について提案を行った。この提案手法の実現を行うため、海外企業との連携を開始したが、新型コロナウィルス感染症による航空業界への打撃により、提携が停止することとなってしまった。本年度は、当初の予定を大きく変更する必要が出たため、新たな連携先の開拓、および、連携先なしで実施できる研究の内容について再考を行った。来年度以降は、再度研究を再開し、当初の予定とは異なる形になるが、新たな成果が出るよう努力していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
共同研究を行う予定であった米国企業が、新型コロナウィルス感染症の影響による業績悪化のため、無期限で共同研究が停止してしまった。それに伴い、新たな共同研究先を探す、もしくは、共同研究なしで実施できる研究内容に作り変える必要がある。また、発表予定であった学会も1年延期となり、学会における公表にも遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
当初予見できなかった航空業界の状況と、現在の進捗状況を鑑み、今年度が最終年度ではあるが、1年延長することで当初の目的を達成したいと考える。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染症の影響により、研究の進捗に影響があったこと、また学会自体が延期となってしまったこと、などがある。今年度において、オンライン学会に参加することや、遅れている研究のための資金として使用する。また、研究を1年延長することにより、当初の目的を達成できるよう、学会発表、論文発表を行う。
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