研究課題/領域番号 |
19K15150
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
NGUYEN THULAN 島根大学, 学術研究院環境システム科学系, 助教 (00801169)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 航空機騒音 / 生活質 / 健康影響 / 睡眠妨害 / 騒音予測 / アノイアンス / 騒音制御 / 政策提案 |
研究実績の概要 |
近年、ベトナムを初めとする発展途上国では空港の拡張または新設が進められている。Brownら[6]は様々な介入により騒音曝露量が段階的に変化するstep change研究をレビューし、このよう状況下では、音環境が急激に変化し、過剰反応(excess response)を引き起こすことがあると報告している。Step change研究の成果は未だ十分に蓄積されておらず、発展途上国では長期的に住民反応がどのように変化するかを調べた研究はない。 以上を背景として、本研究ではベトナムでの大都市、ホーチミン市(HCM)で2019年-2020にかけて実施された航空機騒音調査の結果を比較することで、以下の問いを明らかにすることを目的とする:(1)航空機騒音の曝露量変化による住民の反応の経年変化があるか。(2)非音響要因は曝露量-反応関係にどの程度影響するか。(3)WHOガイドラインは発展途上国に適用できるか。 HCM市の空港周辺に住宅地を10地区、航空機の着陸経路と離陸経路の下の8地区および滑走路の北と南にある2地区、が選択された。アンケート調査は面接法により、1住居あたり1名の成人が調査対象として選ばれた。週末にインタビュアーは、選択した調査地域のすべての住居を訪問し、回答を収集した。HCMでの2019年8月と2020年6月と9月の絵3回の調査では、それぞれ合計600と200と600の回答が得られた。すべての調査で高い回収率が得られた。 2019年の調査では両方実測とIntegrated Noise Model 7.0(INM)によって予測し、各住戸に騒音曝露量を割り当てた。2020年の2回の調査では予測によって、曝露量を得た。 ベトナムの空港周辺の住宅地で航空機騒音のアノイアンスを低減させるためには、騒音曝露量を低減させるだけでなく、居住環境の質も改善するべきである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ロンタン空港周辺でのコーホート調査は2020年実施にする予定ですが、コロナ過で海外出張出来ず、実行することができませんでした。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度内に状況が緩和になって、ロンタン空港周辺でのコーホート調査を実施する。 ロンタン空港周辺の12地区の計1,200軒を対象に1住戸あたり1名を選定して、面接法によ って回答者の健康状態を聞き取り、血圧、聴力、BMIの測定を行う。また、前述のクリニックから、入院と健康検診のデータベースを提供してもらう予定である。 同時に、同じ回答者を対象に、社会調査および騒音実測調査、ノイズマップを描画するための飛行経路データの収集を実施する。 の調査結果を整理・分析し、研究成果は、日本建築学会や騒音制御工学会などの国内 会議、InternoiseやICBEN、環境疫学会議国際環境疫学会等の国際会議で発表する予定である。またJ. Acoust. Sco. Am.やInt. J. Environ. Res. Pub. Health等の国際誌に投稿する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ過で2020年と2021年に海外での調査を実施することが不可ですので、2022年度に実施する予定があります。 予算残金はロンタン空港周辺での調査に使用計画があります。
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